銀座・表参道界隈のワンランク上のおすすめ高級オーダースーツ店10選 > お役立ちコラム > スーツの生地には「水」が重要!軟水が使われる理由とは?
スーツを仕立てる際に使われる生地はスーツそのものの品質や耐久性を左右し、いわばスーツの「顔」となるものです。 生地を製造する際に使われる水は、硬水か軟水かで生地の出来栄えが変わってくることはあまり知られていないかもしれません。 本記事では、スーツの生地作りにおける水の重要性について紹介します。
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生地作りでは染色・洗浄などの過程で大量の水を使います。生地は水の品質によって出来栄えが左右されるため、一流ブランドでは水の品質にも注意を払っています。
一般的に生地づくりでは「軟水」が向いていると言われますが、これは硬水にカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれているため。 カルシウムやマグネシウムは色素と結合する性質があり、生地を色染めする過程で色素が沈殿物となってしまうため、一度できれいに染まりやすい軟水が適しているのです。
硬水が多い地域ではミネラル成分を抜く「軟水化」を行ってから生地を製造しますが、軟水化した水には天然の軟水に含まれる成分が含まれていないため、仕上がりは天然の軟水とは異なります。 一流ブランドの高級生地は天然の軟水を使って染められているものが多くみられます。手に持ったときの光沢感やしっとりとした柔らかさには、天然の軟水の良さが活かされているのです。
イタリアの北西部、ピエモンテ州に位置するビエラ地方(ビエッラ地方)は、国内唯一の軟水の生産地として知られており、生地の製造会社が多くみられます。 日本の軟水が11~100mg/l(硬度0~60mg/l未満のものが軟水と呼ばれる)であるのに対し、ビエラ地方の軟水はわずか5.5mg/lの「超軟水」であるため、生地を作る過程で柔らかな風合いが出ます。
イタリアの高級スーツブランド「エルメネジルド・ゼニア」「ロロピアーナ」「カノニコ」はいずれもビエラ地方を本拠地とし、完全自社製の生地でスーツを仕立てています。 生地のもつ風合いや繊細さを追求するならば、軟水~超軟水で仕上げられている生地を選ぶと良いでしょう。
スーツの価格はデザインやブランドによって決められるほか、生地の品質にも左右されます。 安価な生地を使い、大量生産されたスーツは手間がかかっていないぶん安く購入できますが、品質も価格に見合ったものとなります。 良質な軟水を使って生地を織り上げるのには多大なコストがかかります。高級生地は素材となる糸や織り方にもこだわっているため、仕上がりの美しさはまさに価格に見合ったものとなっているのです。
高級生地を使ったスーツを仕立てるなら、採寸から細かなディテールまでをリクエストできるオーダースーツがおすすめです。 スーツの生地は「顔」の代わりになるものです。生地選びを行う際は、ぜひ生地の生産地や現地の水の品質もチェックしてみてください。
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