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高級オーダースーツにも使われる裏地の種類や選び方を紹介

 

スーツの裏地の役割とは

どれだけの方がスーツの裏地を意識して選んでいるのでしょうか?どうしてもデザインや色味、品質などを重視して選ぶ方が多いため、裏地の優先順位は低くなりがちです。そこでここではスーツの裏地の役割について解説します。

 

 

スーツの着心地に影響する

裏地と着心地は深い関係があります。スーツに裏地があることでジャケットを着たり脱いだりしやすくなり、また吸湿性・放湿性・静電気を防ぐことができます。裏地がなければジャケットの着心地が悪くなるため、非常に重要と言えるでしょう。また裏地があることで汚れ・変色も防げるようになります。 スーツは長時間着るものです。

 

特に仕事でスーツを着ている方は、毎日長時間当たり前のようにスーツを着用しています。そのため着心地はとても重要です。スーツを着るうえでいかに裏地が必要になるか、身を持って実感できるでしょう。

 

 

スーツの印象を左右する

意外にも裏地がスーツの印象を左右するのは知っていますか?「裏地だから見えないのでは?」と思うかもしれませんが、裏地があることで表地の形態を安定させ型崩れしにくくします。これが裏地なしだとスーツ全体が型崩れしやすくなるため見た目の印象がマイナスになるケースがあります。要するに裏地があることで内側から補強し、型崩れしにくくしてくれるというわけです。

 

また見た目の印象を左右するという意味では“ファッション性の向上”にもつながるでしょう。たとえばオーダースーツなら自分好みにデザインすることができます。もちろん裏地も自分で決められますが、柄や色の裏地を付けるとファッション性がグンとアップします。ブランドロゴやエンブレムを入れたりすればオリジナルに仕上げることもできるでしょう。

 

 

季節も関係する?

冬になると表地の透け感が気になってきます。そんなとき裏地が付いていると透け防止効果があるので安心です。また湿気がこもりやすい季節は裏地があることでムレを防止してくれます。「たかが裏地」と思われがちですが、春~夏は湿気を吸収し放出、冬は透け防止と静電気防止で安心安全に着用できるでしょう。季節に合った印象にしてくれるのも裏地の良いところです。

 

オーダースーツの裏地選びで知っておきたい基礎知識

オーダースーツの裏地は、見えない部分でありながら着心地やスーツ全体の印象に大きな影響を与えます。裏地の選び方次第で、スーツの快適さやデザイン性が格段に変わることもあります。ここでは、裏地選びの基本的な知識を押さえておきましょう。

 

裏地に使用される代表的な素材とその特徴

スーツの裏地には、キュプラ、ポリエステル、レーヨンといった素材が主に使用されます。キュプラは吸湿性と通気性が高く、静電気が発生しにくいため、夏でも快適に過ごせる素材です。また、その滑らかな手触りと光沢感が特徴で、高級スーツに多く使用されます。ポリエステルは、耐久性が高く、シワになりにくい素材として人気があり、コストパフォーマンスにも優れています。メンテナンスが簡単で、日常的に使いやすいというメリットがあります。レーヨンは、シルクのような滑らかさと光沢があり、高級感を演出できる素材ですが、湿気や水に弱いため、取り扱いに注意が必要です。これらの特徴を理解し、目的に合わせて適切な素材を選ぶことで、快適な着心地と見た目の美しさを両立させることができます。

 

裏地のカラーやデザインの選び方のポイント

スーツの裏地は、見えにくい部分であるため、そのカラーやデザインにまでこだわることで、スーツの印象を大きく変えることが可能です。ビジネスシーンでの利用が多い場合は、ネイビーやグレーなどの落ち着いた色や無地のデザインが好まれます。これにより、スーツ全体の雰囲気を崩さず、フォーマルな印象を保つことができます。一方で、プライベートやパーティーシーンでは、明るめのカラーやユニークな柄を取り入れることで、個性的で遊び心のあるデザインを楽しむこともできます。裏地のカラーと表地のカラーを対照的にすることで、スーツを着脱する際にちらりと見える裏地がアクセントとなり、より印象的なコーディネートを演出します。このように、裏地の選び方次第でスーツの印象が大きく変わるため、選択の際には慎重に検討しましょう。

 

スーツの裏地を付ける範囲とは

では、どの範囲に裏地を付けたら良いのでしょうか。ここでは裏地を付ける範囲について解説します。オーダースーツを検討している方は、季節に合わせた裏地を選んでみてください。

 

 

総裏とは

ジャケットの内側全面に裏地をはることを総裏といいます。裏地を全面にはることで型崩れを防ぎ、表地を守ってくれます。また温度と湿度を調整する役割もありますから、ジャケットを着るときにムレたり暑さを感じにくくしてくれます。「ジャケットなのだから着ていると暑いのは当たり前」と思われるかもしれませんが、裏地があることで熱がこもりにくく快適に過ごすことができます。

 

ただ一方で、総裏の種類によっては暑さを感じやすくなるというデメリットがあります。わかりやすいのがポリエステルです。このタイプの裏地は熱がこもりやすいので要注意。また温度・湿気の調整ができるとは言え、夏場はどうしても暑さを感じやすいので気をつけてください。季節に合わせてオールシーズン用、冬用と分けると快適です。

 

 

背抜きとは

背中の真ん中から裾にかけて裏地が付いていないデザインを指します。背抜きのメリットは、軽くて涼しいことです。通気性が良くなるので夏場に適しており、重みが軽減されるので軽めに着用することができます。一方で表地が傷みやすいというデメリットがあります。

 

総裏はジャケットの内側全体に裏地が付いているので表地をしっかり保護してくれますが、背中部分に裏地が付いていない背抜きは軽い・清涼感がある一方で型崩れを起こしやすいというデメリットもありますので長期的に着るスーツにはおすすめしません。 夏用スーツのみ背抜きにするのであれば、涼しく着られるので良いでしょう。

 

 

半裏とは

総裏と比較するとこちらもわかりやすいデザインです。半裏は背抜き仕様よりもさらに裏地がない状態で、脇下から裾まで裏地が付いていません。オーダースーツにする場合は有料になるお店もあるので注意が必要ですが、裏地の面積が少ないので通気性に優れており、とにかく涼しく着ることができます。

 

もちろん軽量なので真夏におすすめのデザインになります。ただしデメリットとして、形状維持しにくく型崩れしやすいという点が挙げられます。またシルエットが崩れやすいことからシワが付きやすいのも難点です。 軽さを重視したい方や盛夏用のスーツにおすすめデザインと言えるでしょう。

 

 

遊び心・デザイン性の高い裏地

ひと口にスーツの裏地といってもさまざまです。また“見えないオシャレ”として遊び心やデザイン性の高い裏地を付けてもOK。オーダースーツを検討している方は、裏地にこだわってみるのも良いでしょう。ここでは裏地の特徴やオシャレポイントについて解説します。

 

生地の種類

裏地に使われている生地は大きく分けて3つあります。1つ目は「合成繊維」で最も一般的に用いられているものです。丈夫なので耐久性があり、安価で手に入る一方で、通気性が悪く着心地の点でマイナスになりやすいのがデメリットになります。2つ目は「天然繊維」です。

 

いわゆる“シルク”と呼ばれているもので、繊維の中ではもちろん高級素材になり湿気を吸収してくれます。ただ繊細なので耐久性はありません。それでも高級感を意識したい方にはおすすめの繊維になります。3つ目は「再生繊維」です。天然繊維を加工しており、肌触りが良いのが特徴。レーヨンが代表的ですが、他にもキュプラという再生繊維も存在します。水に弱いため濡れるとシワが付きやすいのが難点です。

 

オシャレな裏地とは

スーツカラーやシーンに合わせて裏地も変えることができます。一般的な裏地は「無地」や「ストライプ」ですが、水玉やロゴが入った裏地にすることも可能です。たとえば定番のネイビースーツなら落ち着いた色柄が◎。ストライプでも良いですが、色柄チェックにすると印象もグンと変わります。少しカジュアルに見せたいときなどにおすすめです。グレースーツならあまり派手な色合いのものはおすすめしません。統一感を出すとスタイルアップになるでしょう。

 

・ペイズリー柄
・迷彩柄
・ストライプ
・色柄チェック
・ドット

 

織り方にこだわる

デザインだけでなく織り方にこだわるのも良いでしょう。裏地には主に「平織り」「綾織り」「朱子織」の三原組織でできており、それぞれ特徴が異なります。平織りは「タフタ」と呼ばれ縦糸・横糸を交互に1本ずつ織っているのが特徴です。摩擦に強くプリントや加工に適しているのも魅力的でしょう。

 

綾織りは「ツイル」と呼ばれ、縦横・横糸をずらして織る手法になります。肉厚感があり滑りも良いのでジャケットだけでなくコートにも適しています。シワになりにくいのも◎。朱子織りは「サテン」です。縦横と横糸を5本以上組み合わせており、光沢感があるのが特徴的。またツイル同様ボリューム感があるので透け防止効果も期待できるでしょう。

 

裏地の違いで変わるオーダースーツの仕上がり

オーダースーツの裏地選びは、スーツの仕上がりを大きく左右します。裏地の違いによって着心地が大きく変わるため、素材や厚みなどを意識して選びましょう。

 

裏地の素材による通気性や保温性の違い

オーダースーツを選ぶ際、裏地の素材は仕上がりに大きく影響します。特に、通気性と保温性はスーツの快適さを左右する重要な要素です。例えば、キュプラリネンなどの素材は通気性に優れ、夏場でも汗をかきにくく、ベタつきを防ぐための選択肢として人気です。通気性の高い裏地を選ぶことで、暑い季節や長時間の着用でも不快感を軽減でき、快適な着心地が実現します。一方で、保温性が求められる秋冬のシーズンには、ウール混紡の裏地や、フランネルのような厚手の素材が理想的です。これらの素材は、寒い風を遮断し、体温を保つ効果があります。さらに、裏地の素材だけでなく、その織り方や密度も通気性や保温性に影響を与えるため、細部にまで配慮して選ぶことが必要です。季節や用途に合わせて、最適な裏地を選ぶことで、オーダースーツの機能性と快適さを最大限に引き出すことができます。

 

着心地を左右する裏地の選び方

スーツを選ぶ上で、裏地の選択は非常に重要な要素となります。裏地は見えない部分ではありますが、着用時の快適さやスーツのシルエットに直接影響を与えます。裏地が滑らかで柔らかいと、スーツを着たときの動きやすさが向上し、着脱もスムーズに行えます。特に、ビジネスシーンで一日中スーツを着ることが多い方は、滑りの良い素材を選ぶことでストレスを軽減することが可能です。反対に、裏地の素材が硬かったり、肌触りが悪いと、長時間の着用で疲労感や不快感を覚えることがあります。また、裏地の厚さも重要で、厚手の裏地は暖かさを提供しますが、動きにくさを感じることもあります。薄手の裏地は動きやすく軽やかな印象を与えますが、寒い季節には保温性が低いため、シーズンごとに裏地の素材や厚みを調整することが理想的です。このように、スーツの着心地を左右する裏地選びには、慎重な判断が求められます。

 

季節別に選ぶオーダースーツの裏地

スーツを快適に着るためには、季節に応じた裏地選びが重要です。暑い季節には通気性を、寒い季節には保温性を考慮した裏地を選びましょう。

 

春夏向けの快適な裏地の選び方

春夏向けの裏地としては、軽くて通気性の良い素材を選ぶことがポイントです。具体的には、リネンメッシュ加工のキュプラが最適です。これらの素材は湿気を逃がしやすく、さらりとした着心地を実現します。また、透け感のある素材を選ぶことで、見た目にも涼しげな印象を与えます。

 

秋冬向けの保温性に優れた裏地とは

秋冬のスーツには、保温性に優れた厚手の素材やウール混紡の裏地を選ぶのがおすすめです。裏地に厚みを持たせることで、冷たい風を遮断し、スーツ全体の暖かさを保つことができます。また、裏地のデザインを暗めの色調にすることで、季節感を演出することもできます。

 

オーダースーツの裏地で差をつけるデザインポイント

オーダースーツでは、裏地のデザインにこだわることで、他とは違う個性をアピールすることができます。シンプルな表地とは対照的に、裏地で大胆なデザインを取り入れて楽しんでみましょう。

 

カラーバリエーションの活用術

裏地のカラーはスーツの個性を表現する大切な要素です。例えば、黒やグレーのスーツには、ブルーやレッドといったアクセントカラーを取り入れることで、チラリと見えた時におしゃれ感を演出できます。また、表地と同系色でまとめると、上品で落ち着いた印象に仕上がります。

 

プリントデザインの裏地で個性をアピール

柄物やプリントデザインの裏地は、遊び心を表現するのに最適です。例えば、ストライプ柄やドット柄、花柄など、少し派手めなデザインを取り入れることで、着る人の個性を引き立たせます。スーツの表地がシンプルな場合、裏地で大胆なデザインを取り入れると、ギャップのあるおしゃれを楽しむことができます。

 

裏地でオーダースーツの個性を演出する方法

裏地の選び方ひとつで、オーダースーツの個性を大きく演出することが可能です。自分らしいスーツを作るために、裏地のデザインや素材を工夫してみましょう。

 

自分らしさを表現できる裏地の選び方

自分の好きな色や柄を裏地に取り入れることで、スーツを着るたびに楽しい気分になることができます。また、表地とは異なる色を選ぶことで、見え隠れする裏地がアクセントとなり、さりげないおしゃれを演出します。

 

遊び心をプラスするデザイン裏地の活用法

デザイン裏地は、オーダースーツに遊び心をプラスするための絶好の方法です。裏地は、普段あまり見えない部分であるため、表地とは異なる大胆なデザインを取り入れることで、他のスーツとは一線を画す個性的なスタイルを実現できます。例えば、表地がシンプルな無地の場合、裏地にストライプ柄や幾何学模様を採用することで、スーツを着るたびに自分だけの特別なデザインを楽しむことができます。また、カジュアルなシーンやプライベートでの着用を想定して、ポップな色合いやユニークなプリントを裏地に施すこともおすすめです。さらに、裏地にブランドロゴやオリジナルのパターンを入れることで、一層の高級感と特別感を演出することができます。このように、デザイン裏地を巧みに活用することで、オーダースーツの楽しみ方やスタイルをさらに広げ、自分らしい個性を引き立てることが可能です。

 

細部にまでこだわって選ぶのが正解

裏地は一見すると目立たない場所です。あまり意識していない方も多いと思いますが、実はスーツを着脱するときにふと目につきます。そのため裏地に遊び心をプラスしたりデザイン性の高いものを使用すると、それだけで印象がグンと上がるでしょう。オーダースーツでは裏地も自分で選ぶことができます。

 

自由に選べる点はメリットですが、TPOを押さえながらこだわりのあるデザインにしましょう。「たかが裏地」ではなく“細部にまでこだわって選ぶ”のが裏地のポイントです。店舗ごとにいろんなバリエーションがありますから、組み合わせを楽しみながら選んでみてください。

 

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